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狙われた迷子の子猫ちゃん!?



 ムーングロウは学問の街だ。
 その街から少し外れにあるライキュームのとある図書館にて、そんな場所に似つかわしくない女性が悩ましげな声を上げながら書籍と格闘している。
 緋色の瞳は情熱の証でもあるかのように揺らぎ、その瞳より更に深い緋色の髪は彼女の活発さを現すように一結びにぎゅっと縛られてポニーテールになっている。
 大きすぎる胸は小さすぎるシャツを拒むかのように苦しそうにしており、その胸に引き摺られるように裾が上がって臍が見え隠れしている。
 文学に熱意を燃やしてきたこの街に住む男のメイジ達には少々刺激が強すぎるようで、皆直視出来ずに視線を泳がせる。
 彼女の名はフェリス。
 ある動物の情報を求めて、ここ知識の宝庫たるライキュームの図書館を訪れたのだ。
 しかしながら豊富すぎる書籍量が仇となり、どこから手を付ければ良いのか悩んだフェリスは、ついに片っ端からという実に彼女らしい行動を取った。あっさりと見つかるだろうと楽観視していたフェリスだったが、通い詰めて今日で三日目になる。
「こんな事ならラフレイアにやらせるんだったわ…。」
 溜息混じりにボソリと呟いて、その言葉に自分で辟易する。
 ラフレイアは、銀髪のエルフだ。
 不健康そうな翡翠色の肌は、彼が一度ダークエルフに堕ちているからに他ならない。
 フェリスを御主人様(マスター)と呼んでいる彼は、常にフェリスの側に付き従うように居るのだが、今はフェリスの思惑により別行動を取っている。
 とはいえ、連絡が取れないままというわけにもいかないのでコミュニケーションクリスタルを持たせているのだが──
「まったく、三日も連絡をよこさないなんて持たせた意味ないじゃない。」
 盛大にフェリスが机に突っ伏すと、その上に大量に積んでいた本が音を立てて崩れ落ちる。そのまま色っぽい吐息を漏らしながら、丁度目線に来た書籍を適当に開いてぼぅっとしながら読む。
 数ページに亘りパラパラと捲っていたが、やがてとあるページでフェリスの眼は釘付けとなる。
 何度も何度も確かめるように丹念に文字を眼で追っていく。そして、フェリスは書籍を手に取りガタッと大きな音を立てて席を立つ。
「なんですってっ!」
 周りの目を一切気にせずに叫んだフェリスは、そのまま図書館を後にする。
 書籍には、大きく『持ち出し厳禁!』と書かれてあった。

 * * * * *

 一方その頃。
 ラフレイアは、またもフェリスの思いつきにうんざりしながら付き合っていた。毎度の事ながら、危険な場所や面倒事は全てと言って良いほどラフレイアの役目となっている。
 今回は、ヒスロス最深部に出現するという噂の未確認生物の確認、及び確保という無茶振りだ。
 ヒスロス最深部と言えば、バルロンと呼ばれる黒いデーモンが鎮座している危険度の高い場所であり、当然ラフレイアは抗議の声を上げた。その要求は、フェリスの「頑張って!」という一言で全て押し切られ、今はヒスロスの入り口に立っている。
 ヒスロス島へは、ムーンゲートが通じてない為に船で行かなければならないのだが、ラフレイアは船が大の苦手だった。移動に二日間を費やした上に、今も吐き気が治まっていない。
「まぁ、ぼやいても仕方ないですね。さっさと行って終わらせてしまいましょう。」
 ラフレイアは両頬をバチンと叩いてから、ヒスロスへ吸い込まれるように入っていった。

 ヒスロス最深部への道のりはかなり大変だ。
 途中にあるトラップは、ひっかかると途中の通路までテレポートさせられてしまうし、最深部の一つ上の階層には異世界から召還されたままで放置されたバルロンが侵入者を今か今かと待ち構えている始末。
 それらをラフレイアは全て一人で片付けて、駆け足で最深部まで直行する。
「はぁ、はぁ…。見切りは集中力がもの凄い必要なので、使用時間が限られるのがネックですね…。」
 エールを一気飲みしたい気分だなとラフレイアは思ったが、この危険な最深部で酔っていては体が持たないと思い直し渋々といった感じで水筒を取り出し、水で喉を潤す。
 最深部へ降りてすぐに居る赤いデーモンをあっさりと片付けると、そのまま噂にある部屋まで迷う事無く歩いていく。
 ラフレイアはその部屋に居た生物を見て、自分の眼を疑った。
 そこに居たのは、猫。どこからどうみても何の変哲もなさそうなただの猫だった。
「は?」
 思わず口をついて出てしまった声。
 それもそのはずだ。こんな何の変哲も無さそうなただの猫がUMA──未確認生物なわけがない、猫は猫だ。
 そのままその場に固まる事数十秒、ラフレイアは何か違和感に気づいたが、それが一体何なのかまったくもって解明できずにその違和感を目を皿のようにして探す。
(何か…そう、何かがおかしいん、だ、がその何かが掴めない。一体何だ、この気持ち悪さは。)
 瞬間、ラフレイアに気づいたかのように猫がラフレイアの方に顔をくるりと向ける。
 目線があった。そう感じた刹那、ラフレイアは自分の耳を疑わざるを得ない事態に陥ることになった。
『何者じゃ、先程からワシをジロジロと見ておる奴は。』
 喋る猫"バーソン"。それがこのヒスロス最深部に居るUMAの正体であった。
「かなり上手く隠れたつもりだったが…。なるほど、500年生きた化け猫という噂も頷ける。」
 ラフレイアの少し手前に身を隠していたであろう長身の男が現れる。
 辺りが薄暗い為にエルフの夜目でもはっきりとした容姿は判らないが、酷くしゃがれたハスキーな声から察するに恐らく30代前半といったところだろう。
『身を隠しておっても、殺気が隠れておらんからの。』
「ふふ…。まぁ、端から隠すつもりも無いからな。」
 そう言うと、長身の男は腰の辺りに手を動かす。
「アンタにゃ恨みはないが、ギルドから下された至上命令なんでね。ま、死んでくれや。」
 薄暗い部屋で長身の男からキラリとした光が窺える。
 ラフレイアは突然のことで、どう対処すべきか必死に思考する。既にコミュニケーションクリスタルでフェリスに相談するという概念は吹っ飛んでいた。
 猫がどれほど強くとも刃物には到底敵わないだろうし、第一にこの猫に死なれると自分が困るのではないか。
 ならば答えは単純明快、そう答えに辿りつく前に既に体は反応し長身の男の前に立ち塞がっていた。
 ギィン!という甲高い音が部屋中に鳴り響く。
 夜目の範囲に捕らえたその男は、全てを飲み込む暗闇のような吊り目がかった黒い瞳をしていた。
「ほぉ、俺の一撃を受け止めるとは大した腕だな。こりゃ、猫より殺し甲斐がありそうだ。」
 男は尖った犬歯を剥き出しにして、獣のように歪んだ笑みを浮かべる。
 ぞわりとした怖気を感じ、剣を往なして距離を取る。
『誰かは知らんが、助かったわぃ。』
 じくじくとした殺気で振り返る余裕はないが、目の端で捕らえた未確認生物と思われる猫は、不幸の象徴であるかのように黒い毛に覆われている。
 長身の男は、ゆっくりとした動きで武器──刀身の黒い大小──を構える。
「まずは小手調べと行こうか。……いくぞ!」

 長身の男との間合いは、10歩。男はそれを一瞬にして詰めると同時に片方の刀で突きを繰り出してくる。
 あまりに速い猛襲にくっと仰け反りながら、喉元ギリギリのところで刀を弾いて蹴りを相手の腹に食らわせる。
 だが、男はそれをもう一方の刀の鍔で防ぐと弾かれた刀を手の中でくるりと反転させてそのまま振り下ろす。
 ラフレイアは、それを咄嗟に後ろに転がるようにして回避してまた距離を置く。
「ははは、いいぞ。その調子でもっと俺を楽しませてくれ!」
 このままでは確実に負ける。剣の腕も然る事ながら、スピード、パワー共に相手が一枚も二枚も上手だ。ラフレイアの背中に嫌な汗が溢れてくる。
(このまま攻撃を受け続けるだけでは勝機は見えてこないですね。なんとか相手に隙を作らせなければ…。)
 深く息をし、呼吸を整える。
 ぐっと腹の下辺りに力を入れると、ラフレイアは長身の男に弧を描くように向かっていく。
「うぉぉおお!」
「いいねぇ、その俺を食い殺すような眼。堪らないねぇ…。」
 ラフレイアは、シミターの柄を両手で握り奥歯を噛み締めて、全身全霊の力で長身の男の右側面から横一文字に剣を薙ぐ。
 男がそれを片方の刀で軽々と受け止めると、部屋にギィンという甲高い音が鳴り響く。
 そのままギリギリと鍔迫り合いをするが、長身の男はあからさまに落胆の表情を浮かべて溜息をつく。
「まさかそれがお前の全力か?だとすれば、酷く残念だ。」
「…あなたを喜ばせるつもりなど、1ミリもありませんよ。あなたが勝手に盛り上がっていただけでしょう。」
 鍔迫り合いの状態を終わらせるべく、ラフレイアは長身の男の刀を上方へと往なし、勢いをそのままに袈裟斬りを無防備な相手の脇腹へと放つ。
「ぐ、がはっ…。」
 瞬間、長身の男は身体をぐるりと反転させてもう一方の刀で袈裟斬りを受け止めて、往なされた刀でラフレイアの腹部を突き刺す。
 ずぶりと突き刺さった刀からは血が滴り落ち、ラフレイアの力を奪っていく。
 カウンターストライク。
 攻防一体のその技は、禅都の侍という剣士が得意とする剣術の一つであり、ラフレイアも身に付けている技だ。その威力は、自分自身が一番知っている。
 だが、この痛みは肉体的なものだけではない。
 ラフレイアがダークエルフに堕ちた原因、可愛がっていた妹の死。それは人間の手による刺殺だった。それを痛烈なまでに刺激し、更に痛みが増している。
 フェリスによって救われたラフレイアの心だったが、痛みと共にじわりじわりとダークエルフへと堕ちかかる。
「…苦しいだろう。今、楽にしてやるよ!」
 長身の男は、もう一方の刀をラフレイアの首目掛けて振り下ろす。
 ラフレイアは、ぐっと目を閉じて自分の未熟さと共に死を覚悟する。が、何時まで経っても刃が振り下ろされる様子がない。
「もう少し待ってくれないか、これから良いところなんだ…。」
 恐る恐る目を開けると、長身の男は誰かと喋っているような独り言を漏らしている。
「チィ…、判ったよ。」
 頭に手をあてて忌々しそうに吐き捨てると、ラフレイアに突き刺した刀を引き抜いて鞘に収める。
 気絶しそうな意識をどうにか精神力で持ちこたえて、だがしかし立っていられる筈も無く、その場に膝をつく。
「待、て…。逃げ、る、気か…。」
「逃げる、だと?ふざけんな、命拾いしたのはお前の方だろう。俺が本気でお前を殺そうと思えば、一瞬で終わった事ぐらい判るはずだ。」
 長身の男は、マントを翻し
「カガ・コウメイ。俺の名を忘れるな、そして二度と聞かない事を祈りな。」
 そう言い残してリコールでその場から消えていった。

『大丈夫かの。』
「これで大丈夫なヤツが居れば、それはアンデットですよ。」
 どうにか気丈に振舞うが、既に身体にはまったくと言って良い程に力が入らず、気を抜けばすぐに気絶してしまうだろう。その前に本題を切り出さねば。
 意識が昏迷する中で、フェリスの憤然とした顔が脳裏に焼きついている。
「ところで猫さん、一緒に来て欲しい所があるのですが…。」
『バーソンじゃ。まぁ、先刻の礼もあるしの、吝かではないぞ。』
 ラフレイアは、ふっと表情を緩めて「ありがとう御座います。」と力無く答えて、安堵からかそのまま前のめりに崩れ落ちる。
『やれやれ、仕様の無いヤツじゃの。』
 ラフレイアの頭のすぐ前方辺りにちょこんと座ったバーソンは、右の前足で顔をゴシゴシとしながら呟く。そして、猫の知能からは到底想像も出来ない"力の言葉"を唱える──。
『In Vas Mani』
 
 Greater Heal。
 それは、癒しの高位魔法であり、猫の知能そしてマナでは到底唱える事が出来ない魔法だ。取り合えずの応急処置を施したところで、バーソンはラフレイアの服の襟を銜えてずるずると引き摺るようにヒスロスを後にする。

 * * * * *

 その頃、フェリスはヒスロスの入り口でドーン!という感じで仁王立ちしていた。断崖絶壁の激しく波打つ場所がよく似合いそうだ。
「まったく、ラフレイアのやつ。見つけたらただじゃおかないんだからっ!」
 怒髪天をつくとはこの事だろう。怒りというオーラを纏ったフェリスは、肩で風を切るようにしてヒスロスへ入ろうとその一歩を踏みしめた、正にその時だった。
 ヒスロスの入り口付近に人の気配を察知し、すっと野太刀の柄に手をあてて臨戦態勢を整える。
(一人…、いえ二人?)
 はっきりとした人の気配とは少し様子が違った為、フェリスは酷く不安に駆られる。動悸は早くなり、唇は乾燥してピリっとする。こんな時、ラフレイアが側に居てくれれば心強いのに、と思う。
 フェリスが入り口へと精神を集中していると、中からズル…ズル…という感じで音が聞こえてくる。何の音だろう?とフェリスは思った。そして、その疑問は驚嘆へと変わっていく。
 ヒスロス入り口から出てきたのは、一匹の猫と変わり果てたラフレイアの姿だった。
「ラフレイア!」
 フェリスは、咄嗟にラフレイアの元へと駆け寄る。ボロボロの衣服からは想像出来ない程に体自体はそれほど重症ではなさそうで、ほっと胸を撫で下ろす。
『お主の知り合いかの。まったく重たいヤツじゃ、起きたら少しダイエットを勧めるとええぞ。』
 猫が喋った事に少し驚いた表情を浮かべたフェリスだったが、少し間を置いてからありがとうと礼を述べる。そして、バックパックからコミュニケーションクリスタルを取り出すと、どこかへ連絡を取る。すると、すぐ側の空間が歪んで長細いホール状の青いゲートが現れる。
 フェリスは、ラフレイアを担ぐとそのゲートをくぐり、バーソンもそれに続いた。

「う…ん?」
 ラフレイアが目覚めたのは、大きな屋敷の一室だった。意識が朦朧とする中、ふかふかのベットに包まれたラフレイアは、部屋の中を見渡す。
 天蓋のついた豪奢なベットを始めとして、一見質素そうに見える家具達は神々しいまでの高級感を漂わせる。開かれた窓からは心地良い風が肌を包み込み、ゆらゆらと揺り篭のように揺らされたカーテンがラフレイアの安心感を誘う。そう、ここはクランティッテ家──フェリスの屋敷だ。
(一体何がどうなって…。)
 ヒスロスの事がまるで夢のようで、生きている事すら現実感が無い。と、そこにドアをノックする音が聞こえてきた。ドアから入ってきたのは、フェリス。その足に纏わりつくように猫のバーソンが入ってくる。
「三日間ずっと眠ったままなんて…まったく、心配させるんじゃないわよ。」
 言葉とは裏腹に、安堵の表情がフェリスの顔に広がる。バーソンは、軽やかに布団の上に飛び乗る。
「すみません、マスター…。」
 負けた事がショックなのか、悄然とした顔を浮かべて俯く。フェリスはそれを見てふっと笑って、両手を腰に当てる。
「いいわよ、別に。ちゃんと私の要望の未確認生物を捕まえたわけだし。」
 言われて、布団の中央にちょこんと座ったバーソンに目をやる。喋るという以外はどこをどう見ても普通の猫だ。彼は眠たそうに、くああと欠伸(あくび)をしている。
『それなんじゃがの、わしはそもそも人間ぞえ?』
 一体、この猫は何を言っているのだろう、とラフレイアは思う。すると、フェリスが慌ててバーソンの口をむぐっと押さえて抱き上げる。バーソンはあからさまに嫌がって足をバタバタとさせてもがく。
「オホホホ、この猫ったら何を言ってるのかしら。猫が人間なわけないじゃない、ねぇ?」
 明らかに怪しいフェリスの言動にラフレイアは眉を顰める。
「一体何を隠していらっしゃるんですか、マスター。今更何を聞かされても別に怒りませんよ。」
 そう、今更フェリスに怒っても仕方が無い。事は全て終わったのだから。
 フェリスは、珍しくもじもじとした様子で少し間を置いてからバーソンから手を離す。そのまま地面にストンと華麗に着地したバーソンは、再び布団の上に飛び乗る。
『昔、ワシは魔法の研究の為に、この身をリッチへ転生させようとしたんじゃ。じゃが、術式は失敗しワシの魂は肉体から乖離してしもうた。そのまま近くに居たこの猫に憑依しての、今に至るという訳じゃ。不幸中の幸いというべきか、魔法の知識と言語能力は衰えなんでな、そのまま研究を続けておったんじゃよ。』
 ゆらゆらと揺れるバーソンの尻尾は、二尾。一尾は元々の猫の魂、そしてもう一尾が自分の魂だとバーソンは付け加える。あの時に感じた違和感の正体はこれだったのかとラフレイアは尻尾をまじまじと見つめる。
『まぁ、つまりはUMA…未確認生物では無い、という事じゃの。』
 ラフレイアは愕然とする。では、一体何のためにあのコウメイとかいう凄腕の剣士と戦い、しかも瀕死の重傷を負わされたのか。
「マスター…、ご存知だったのですか?」
「え、えっとね。私、ライキュームで調べものするって言ってたでしょ?その過程で偶然その文献見つけて…。も、もちろん、大急ぎで知らせようと思ったのだけど、遅かったみたい、ね。」
 確かに、噂の検分も含めた指令であった事には間違いない。その意味では、成功したのだろう。何より、フェリスが満足しているのだから、それで良いとラフレイアは思う。
 と、そこでふとした疑問がラフレイアに沸きあがる。
「ところで、バーソンさんは何故ヒスロスというあんな危険な場所にいらっしゃったんですか?」
 猫のバーソンは、髭を少し揺らしてばつが悪そうに
『いや、それがの。ワシはムーングロウに向かっておったはずなんじゃ。それが一体どういう訳か気づいたらヒスロスの最深部じゃったんじゃよ。不思議じゃのぉ。』
 それは迷ったというんですよ、とラフレイアは心の中で突っ込みを入れる。
(しかし、あのコウメイという長身の剣士。ギルドの命令だと言っていたが、戦闘時の立ち振る舞いといい…一体何者なんだ?)
 厭な予感がした。何か大きな運命という歯車がミシミシと音を立てて動き始めた、そんな予感がラフレイアを襲う。そして、その予感と共に昔に封印した忌まわしい想いが疼き始めているという事に、この時はまだ気づかずに居た。

 

The End

 

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