-文章作成の基本-

 

 文章作成には、いくつかの基本的なルールがあります。
 このコンテンツでは、そういった物語を書く上での「文章作法」について書いています。
 物語を書く際には、これらの文章作成の決まり事を必ず踏まえた上で、作品を仕上げて下さい。
 文章の「見栄え」というのは、思った以上に大事なものです。

 尚、これらの決まり事は、「縦書き」を意識しています。
 UO三題噺については「横書き」で掲載していますが、「横書き」の場合の決まり事は「縦書き」と比べて、 「どちらでも構わない」という点が多いので、ここでの説明は省きます。

 文中の説明や例文等におかしな点があれば、遠慮なくご指摘下さい。

 

[目次]

  段落の頭は、一字下げる。
  「」(括弧)を閉じる時に、「。」(句点)は置かない。
  「……」(三点リーダー)と「――」(ダッシュ)
  「!」と「?」の使い方

 

段落の頭は、一字下げる。


◆段落の最初や改行後の行頭は、一字下げてから書きましょう。

<間違った例>
その日もいつもと変わらず天気の良い日で、一人の幽霊が私の所にやってきた。
あっちの世界から戻してみれば、どこの頭の悪い床屋が染めたのかというような髪の色をした若侍らしき色白の男の子だったのだが、その場で髪の色にも負けない派手な色の鎧や服を、私の見ている前でいそいそと取り出した。

<正しい例>
_その日もいつもと変わらず天気の良い日で、一人の幽霊が私の所にやってきた。
_あっちの世界から戻してみれば、どこの頭の悪い床屋が染めたのかというような髪の色をした若侍らしき色白の男の子だったのだが、その場で髪の色にも負けない派手な色の鎧や服を、私の見ている前でいそいそと取り出した。

◆「」で始まる場合は、下げません。

<間違った例>
_「動くなっ!」
 耳をつんざくような甲高い声と共に、ドアを乱暴に開けて建物に飛び込んできた黒い影は、何やら素早く手元に構えてこちらに向けた。

<正しい例>
「動くなっ!」
 耳をつんざくような甲高い声と共に、ドアを乱暴に開けて建物に飛び込んできた黒い影は、何やら素早く手元に構えてこちらに向けた。

◆改行のタイミング。

 私もよく「。」(句点)が入る度にポンポンと改行してしまうのですが、基本的には「同じ内容の文章のかたまりを一つの段落」として、その後に改行する事が多いです。
 段落は長すぎても詰まっている感じがして読み難かったり、短いとスカスカで文章に深みが出なかったりという事があるので、自分なりの書き方を文庫本を読むなりして身に着けるといいと思います。
 因みに、一段落の目安として耳にしたのは、4〜5行(200文字)程度という話。

<間違った例>
 頬に照りつける日差しから伺えるような明るい世界になって欲しいと思うのは、俺が物乞いというお気楽且つ自由な身分だから故に考えてしまうエゴなのか。
 それとも、今が単に怪物どもの侵攻とやらに泣き寝入りせざるを得ないような状況にあるだけで、満ちた潮がいずれは引くように、その内勝手に世界は逆方向に示される指標を辿る運命にあるのか。
  ブリタニアの大地を見守る二つの月だけは、その先を知っているやらいないやら……。

<正しい例>
 頬に照りつける日差しから伺えるような明るい世界になって欲しいと思うのは、俺が乞食というお気楽且つ自由な身分だから故に考えてしまうエゴなのか。それとも、今が単に怪物どもの侵攻とやらに泣き寝入りせざるを得ないような状況にあるだけで、満ちた潮がいずれは引くように、その内勝手に世界は逆方向に示される指標を辿る運命にあるのか。
 ブリタニアの大地を見守る二つの月だけは、その先を知っているやらいないやら……。

 

「」(括弧)を閉じる時に、「。」(句点)は置かない。


◆「」を閉じる直前に、「。」(句点)は置かない事。

 小学校の時、作文の書き方を学んだ際には先生に、「閉じ括弧と同じマス内に句点を入れる」と習ったと思いますが、小説の書き方の場合は違ってきます。
 「」括弧内の文末には、句点は入れません。

<間違った例>
「ううんいいの、しばらく好物のマフィンがお預けになるだけだから。」
(なかなか見所がある子供だ。)

<正しい例>
「ううんいいの、しばらく好物のマフィンがお預けになるだけだから」
(なかなか見所がある子供だ)

 

「……」(三点リーダー)と「――」(ダッシュ)


◆三点リーダーとダッシュは、二文字分使って書く。

・「……」(三点リーダー)
 科白(セリフ)の間や、沈黙を表現する際に使います。

・「――」(ダッシュ)
 心の中での科白や描写などに使ったり、説明の省略や言葉の付け足しの際に使います。
 含みを持たせる時なんかにも。

 多く使いたい場合は、4つ、6つ、と、2の倍数分使います。
 どちらも使いどころによっては効果的な演出が出来ますが、多用は禁物。
 文章が鬱陶しく見えてしまいます。

 この項目では、効果的な使い方を例に挙げてみます。

<三点リーダーの使い方>
[間]
 片付けを始めようとしていた手を止めて、腰を据えたのを返事と受け取ったらしく、彼女はゆっくりと口を開いて話を始めた。
「わたし、遠くに行きたい……。此処ではない、どこか遠くへ」

[沈黙]
 妻に名前を呼ばれた私は、彼女の声が聞こえた寝室に向かい、開けるたびに築何年だったかを思い出させてくれる、小さく「キィ」という鳴き声をあげるドアを開けた。
 するとそこには、使い込んだパレットのように何着もの色とりどりのドレスをベッドに広げ、鏡の前で次から次へと、昔に比べて多少ふくよかになった体にドレスを合わせている妻がいた。
「ねぇ、アンナの結婚式に着ていく服はどれがいいと思う? それとも、思い切って新しいドレスを買っちゃおうかしら!」
「……」
 どれだっていいよと言いかけた言葉を、私はゴクリと生唾と一緒に飲み込んだ。

<ダッシュの使い方>
[心の中での科白]
 突如、ヒュッという鋭い音が聞こえた瞬間、何かが右の頬をぞわりと撫でていった。
 彼女の構えるクロスボウから発射されたボルトだと気付いたのは、じわじわと右頬が熱くなり、床に点々と自分の血による赤い斑点が描かれていくのを見た後だった。
 ──撃った、こいつ本当に撃ったぞ。
 デニスが目と口を丸くしてこっちを見ている。そして恐らく、俺も同じ様な表情をしているはずだ。

[説明の省略]
「何故、トリンシックに住んでいるキミがこんな片田舎に来たんだい?」
 俺がそう聞くと、彼女は一瞬驚きの表情を作るがすぐに呆れた顔になり、長々とこのブドウ畑で作られたブドウの素晴らしさから、お陰でそのワインの虜になってしまった事の一部始終を語り始めた。
「――というわけで、私は遠路はるばるこのユーにやってきたの。この気持ち分かる?」
 どれだけ酒が好きで、ここの醸造所で作られたワインが美味しいかを聞かされても、酒を一滴も飲まない俺にはさっぱりと彼女の気持ちが理解できなかった。

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  「これぞ」という正解はありません。
 たくさんの本を読んで参考にし、自分なりの感性を養っていくのが一番だと思います。

 

「!」と「?」の使い方


◆「!」と「?」を使った後は、一文字空ける。

 感嘆符「!」(エクスクラメーションマーク)と、疑問符「?」(クエスチョンマーク)を使った後には、一文字分の空白を入れましょう。
 ただし、文末には入れません。
 括弧内の文末にも必要ありません。

<間違った例>
「そうなのか?俺にはとてもそうは思えないんだがな」

<正しい例>
「そうなのか? 俺にはとてもそうは思えないんだがな」

◆「!」と「?」を同時に使う場合。

 意外な驚きの時なんかに用いますが、これも順番と決まりがあります。
 順番は、「!?」が正しくて「?!」は間違った使い方です。
 そして、同時に使う場合には、「!?」というように半角にする必要があります。

<間違った例>
「何ですって……。私が間違っていたというの?!」

<正しい例>
「何ですって……。私が間違っていたというの!?」

◆「!」と「?」を重ねて多用しない。

 書いている本人は、使った分だけの驚きや喜びを表しているつもりでしょうが、連続していると、これまた鬱陶しいです。
 なので、感嘆符と疑問符は一つだけにし、前後の文章や描写などで、その感情の大きさを表現しましょう。

<悪い例>
・「くそっ!! 俺が一体何をしたって言うんだ!!!」

・「あなたは本当にそれでいいの???」

<参考までに一つの例>
「くそっ! 俺が一体何をしたって言うんだ!」
 体の奥底からせり出てきた怒りに流され、手近にあった陶器の花瓶を思わず壁に投げつけてしまった。

「あなたは本当にそれでいいの?」
 諦めにも似た表情を浮かべながら、首を傾げた彼女はそう問いかけてきた。

 

また追記項目が見つかり次第、書き足していきます。
(07/08/05 Yamame)

 

 

 

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